NBAドラフトについて紹介する

おっす! まっとです。今日はNBAドラフトについて簡単に紹介思います。

NBAは2018年の現在30チームがあります。東西に分けて15チームずつ分けてあり、それぞれをイーストカンファレンス、ウェストカンファレンスと呼んでいます。ちなみにカナダにもトロントラプターズというチームが一つイーストカンファレンスに所属しています。

全チームに2ずつドラフトの権利が渡され、2×30で60名が毎年NBAにエントリーします。

NPB(日本のプロ野球)とは違い、一巡目のドラフト一斉に指名するのではなく、

NBAの場合はあらかじめAチームは一巡目の一位、Bチームは一巡目の2位、Cチームは一巡目の3位という様に決められています。2018年のDraftの場合ですと、

フェニックスサンズが1巡目1位 (田伏選手が所属していたチーム)

サクラメントキングスが1巡目2位

アトランタホークスが1巡目3位 (ダラスマーベリックスとトレード)

となっていました。

NPBの場合は全員一緒なので順番などありませんが、NBAはどうやってこの順番を決めるのか?

それは今年の成績が悪かったチームが優先的に早い順番を得ることができます。

具体的には

・1巡目3位はプレーオフに出ていない14チームから選出されます。そして、成績の悪いチームであればあるほど早い順番の得る確率が高くなります。

・1巡目3位以降は残りのチームでシーズン成績悪い順番で振り分けます。

・2巡目以降は成績の悪い順番で振り分けます。

プレーオフはNPBで言うクライマックスシリーズだと思って頂いて平気です。

セリーグから3チーム、パリーグから3チーム選ばれるように、

NBAもイースト、ウェストから8チームずつ選出し最後に全米1位を決めます。

ちなみに以下が割り当てられる確率です。1stから成績の悪かったチームの順になります。

1巡目1位:

  • 25% chance at 1st
  • 21.5% chance at 2nd
  • 17.8% chance at 3rd
  • 35.7% chance at 4th

1巡目2位:

  • 19.9% chance at 1st
  • 18.8% chance at 2nd
  • 17.1% chance at 3rd
  • 31.9% chance at 4th
  • 12.3% chance at 5th

1巡目3位:

  • 15.6% chance at 1st
  • 15.7% chance at 2nd
  • 15.6% chance at 3rd
  • 22.6% chance at 4th
  • 26.5% chance at 5th
  • 4% chance at 6th

これをみると、その年に1番成績の悪いチームが高い確率で1位を引き当てることができることがわかります

このNBAの1巡目1~3位はめちゃくちゃ大切です。

本当に今後のチームを引っ張っていくような選手を引き当てることができます。

今までの1巡目1位を見ていきましょう。

1984年 マイケルジョーダン 1巡目3位

1992年 シャキール・オニール 1巡目1位

1997年 ティムダンカン 1巡目1位

2003年 レブロンジェームス 1巡目1位

2007年 ケビンデュラント 1巡目2位

今のスーパースター,ステファンカリーは1巡目7位でした。

たまに例外もありますが、NBAに歴史を刻むようなレベルの選手は基本的に1巡目1~3位にいる確率が非常に高いです。

プレーオフにも明らかにでれず、優勝争いのできない5,6チームはどうするのか?

負けるとわかっていても一生懸命頑張るのか?いいえ、違います。

バレない様にわざと負けてワースト1位を狙います。

これをtank(タンク)と呼び、これが現在のNBAの問題です。

例えば最近のタンクの例だとフィラデルフィア76ers.

今のひざ下のバスパンを流行らせたと言われるアレンアイバーソンがかつて所属していたチームです。

ここ4年の成績をみてみましょう

 

2013-14 19 63 .232
2014-15 18 64 .220
2015-16 10 72 .122
2016-17 28 54 .341

悲惨すぎますね・・・この中の勝ち星もタンクを狙っているチーム同士の戦いなので実質勝ち星なしだと思っていただいて結構です。タンクを狙ってるチーム同士の戦いをFinal Tank などとも言います(笑)。


そして、4年間我慢し続けた結果、76ersは2017年、なんと

2017–18 52勝 30負 .634 プレイオフ1回戦勝利

なんと一気に勝率をあげることに成功しました。

それもそのはず、

2014年 1巡目3位 ジョエルエンビード

2015年 1巡目3位 ジャーリルオカフォー(のちに放出)

2016年 1巡目1位 ベンシモンズ

2017年    1巡目1位  マーケルフルツ

と言ったように4年間我慢した結果若き才能をかき集めたのです。

最終的に2017年にはいい成績を残し、2018年も期待のできるチームとなりました。

1997年のティムダンカンもタンクの結果手に入れた選手です。

前年の1996年強豪のスパーズはエースのデイビットロビンソンが全休してしまい、チームは優勝を争えない戦力に。 そこで名将ポポビッチはわざと負けてドラフト1巡目を得ることができました。

では、そのサンアントニオスパーズの前3年の成績を見てみると・・・

1993-94 San Antonio Spurs 82試合 55勝 27敗
1994-95 San Antonio Spurs 82試合 62勝 20敗
1995-96 San Antonio Spurs 82試合 59勝 23敗

どのシーズンも勝率7割りを超えています。

ですが、次のシーズン

1996-97 San Antonio Spurs 82試合 20勝 62敗

フぁ!?

いくらエースが一人抜けて優勝はできないにしろこのような状況にはならないはずです。(笑)

今後の将来の見据えポポビッチはわざと負けてティムダンカンを手に入れて、ツインタワーを結成その後1999年と2003年は全米1位に輝いています。

わざと負けるのもつらいよ

バレない様にわざと負けるためには様々なテクニックが必要となります。

選手にも、プライドがあります。わざと負けろなんていうことはできません。

なので、様々な工夫を凝らしてチームを弱体化します。

・上手い選手を放出する。

チームを弱体化するには弱い選手で固めないといけません。

そこで、優勝争いをしているチームにいい選手をあげることで弱体化を図ります。

さらに、NBAは将来のドラフトの権利と選手を交換することができます。

つまり、将来を見据えてチームにいる選手を渡すことで将来のドラフトの権利を得ることができます。

例えば、2013年にボストンセルティックスはポールピアースとケビンガーネットのチームの大黒柱をブルックリンネッツに放出しました。
代わりにネッツは複数の選手と将来のドラフトの権利を明け渡しました。そのおかげで、ボストンは2016年のシーズンは1位にもかかわらず、
翌年のドラフトでは1巡目3位を得ました。

※NBAドラフトのトレードはプロテクト等複雑なルールが盛り込まれていますが、ここでは説明しません。

・監督を交代させる

成績不振を理由に監督を後退させることでチームの弱体化を図ります。

それもそのはず、いきなり監督変わって戦術も変わったら対応するのに時間もかかりますよね。(笑)

このように監督をいきなり変え、選手を困らすことで弱体化を図ることもできます。

・二軍選手を起用

Dリーグという下部リーグ、すなわち二軍もあります。そのようなチームから若い選手を引っ張て来てチームを弱体化させます。若い選手の発掘にも繋がりますね!

怒られたチームもあるよ

NBAの運営もタンクを公然と認めるわけにはいきません。

弱いチームはタンクしていいよ☆なんて認めたら、ファンも悲しいでしょう。

しかし、今年1巡目3位でスロベニアのエース、ルカ・ドンチッチを手に入れたダラスマーベリックスのオーナーは前シーズン中に
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ icon=”2.jpg” name=”オーナー”] 強い選手欲しいからタンクして補強するぜ☆[/speech_bubble]

と公言したことで約6480万円の罰金を受けました。オーナの思惑通りタンクしてチームは強くなりましたが、バレると高い罰金を科せられます(笑)

まとめ

 
NBAドラフトの問題について簡単に説明しました。
タンクには色々な問題があると思いますが、一番は地元ファンがかわいそうでしょう
家から近い地元のチームに応援に行きたいけど、わざと負けるチームの試合は見る価値がありませんよね・・・
チームが再建するまでの複数年はバスケを見ることができなくなってしまいます。
オーナの一存で選手のキャリアが左右されるのも不憫で仕方ありません。
戦力差を埋めるためのNBAドラフトルール。
サッカーや野球と違い、フィールドにいる選手の人数が5人しかいないので、
一人の戦力に大きくされやすいのでいい選手を集めたいのは理解できますが、他にもっといい方法があるような気もしますね・・・

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