【現役が語る】大卒で生産技術職はオススメしないよ

この記事は生産技術職を考えている大学院生、大学生に向けて書いています。僕から言わせていただくと、大卒で生産技術職に入ることはオススメしません。理由は転職しにくい業務に携わるからです。ちなみに院卒は別なので全然問題ないです。

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はじめに

生産技術職(Manufacturing Engineering)とはいったいなんでしょうか?はい、こちらのサイトから引用すると

生産技術とは、製造業において製品・部品を効率よく量産する生産体制を築く仕事。この場合の“効率よく”には、ローコストかつ短納期で高品質なモノを、という意味があります。単に費用を削減すればいいというわけではなく、要求されている製品・部品の品質を保ちつつ、量産できる体制をつくっていくことが果たすべき役割なのです。

だそうです。さらに簡単にまとめると、

  • 効率よく
  • 安く
  • 高品質

の製品を作れるような設備・プロセスを作りましょう。という職業が生産技術職です。じゃあ、みんな生産技術職の人は同じようなことをしているんだね★

まっと

いや、実は違うんです。生産技術職の中でも細かく分類されます。

生産技術職は大まかに分けて4種類に分かれます。

生産技術の業務内容
  • 制作-開発チームが作成した設備を何十体と展開する業務
  • 工程担当ー工場に存在する各工程の全体的な管理を行う業務
  • システム担当ー工場で製品を管理するシステムを開発する業務
  • 設備開発担当-工場で製品を製造する設備を開発する業務

この4つに分かれてそれぞれが知識を身に着けてプロフェッショナルになっていくのです。しかし、この4つの職業で二つ地雷があります。それは制作担当と工程担当です。その理由は転職できないからです!

A君

それなら大卒で開発かシステム開発に入ればいいじゃん

まっと

そうなんだけどね、実は大卒が入るのは基本的に制作担当か製造担当なんだ・・・

あくまで個人的に見てきた範囲でお話ししますが、僕の会社では大卒で開発・システム開発に配属される可能性はとても低いです。ゼロではないですが、開発に配属されることを期待して入社することはオススメしません。大卒が生産技術職に配属されない理由について、直接人事に聞いたことはありません。ただ、僕が推測する限りでは、院卒のほうが比較的テクノロジーに関して興味関心のある方が多く、開発に向いているからではないでしょうか・・・。

何もともあれ、この二つの職種に入ってはならない理由についてお話ししましょう。では、制作担当から順番にお話ししていきます。

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制作担当

制作担当は本当にやってはならない業務です。理由としては、なんもスキルが身につかず会社がつぶれた時に次が見つかりませんので転職ができません。

肝心の業務内容についてお話します。制作担当の主な業務内容は、開発チームが開発した設備を横に展開していく業務です。

例えば、開発チームがアイスクリームを作成する機会を製造したとします。制作チームはアイスクリームの機械に必要な部材を発注し、工場に同じものを何台も組み立てていきます。

簡単に言ってしまうと、開発チームに指示されたことをそのまま行うだけの業務です。

まっと

もちろん、開発とのコミュニケーション、ある程度の技術に関するリテラシーも必要ですが、本質は開発チームの指示に従うだけです・・・

いい点といえば、業務的にそこまで大きな負担がないということです。開発の進捗が滞ると制作もやることなくなりますからねwww

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工程担当

ある製品を作るのに様々な工程が存在します。車を例に見てみましょう。

プレス→溶接→塗装→組み立て→検査

このような工程のプロセスがあって、生産技術職の工程担当は各工程を担当します。担当された工程で行う業務は下記に示します。

・設備の維持管理

たとえば、プレス工程に配属されたらほとんどの方が何十年もプレス工程で働く羽目になります。車内のプレス事情についてはとても詳しくなります。例えば、

プリウスのボディの圧力は~Pa!

アクアのプレスのコツはこう!

など、その会社にとっては必要な存在になるかもしれません。しかし、そのプレス工程に関して知識、他社で通用しますか?

僕は何度もこのスタンスを貫いていますが、盛者必衰の理です。どんな企業であっても、いつかは潰れます。しかし、会社が潰れていてもあなたは死にません。しかし、ある会社のある工程にだけ関して詳しくても他社で需要があるのでしょうか?ありませんよね。もはや、工程担当は会社に飼殺されているようなものです。絶対にお勧めしません。

・歩留まり(不良率)の原因を追究し、開発チームに設備改善の依頼

例えば、ある日車の工場の塗装工程であるエラーが出たとします。それは車に塗るスプレーがちゃんと出てこなかったとします。その時、工程担当の方が始めに原因を追究します。技術的な内容なのか、ヒューマンエラーなのか、様々な要因を解析します。ヒューマンエラー(作業者のミス)であれば、工程担当の人が直接指導して改善を促します。

仮に技術的な要因であれば、工程担当がある程度まで原因を突き止めます。自分たちで直せそうであれば、自分で直します。仮に直せなさそうであれば、開発チームに依頼して直してもらいます。

といったように、現場の指導であったり、開発に依頼であったりと技術的アプローチが比較的少ない器用貧乏になってしまいます。

ここまでまとめると、工程担当は

  • 学んだことが働いている会社でしか役に立たない
  • 技術者ではない。器用貧乏になる。

以上の理由より、転職が非常に難しいです。会社が消えるとき、あなたも消えます。

システム開発

システム開発の業務は主に工程で取られたデータを上流に投げるシステムを開発することです。たとえば、不良が出た要因を上流のサーバーに渡せるようなシステムを構築します。渡したデータに関しては、システム開発の人たちが自分たちで解析する場合もあれば、より統計知識に関して優れていてるグループ(私たちの会社では品質保証部と呼びます)が解析して、現場へ改善などを促します。

基本的にこの業務は製造業であればどの会社でもあります。それが、自動車、機械、電機、化学、電子部品、いかなる会社でも生産技術のシステム開発は存在して、ほとんど似たようなことをしています。そのため、どこの会社に行っても通用する力を身に着けられます。

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生産設備開発

これは現在僕が所属している部門です。会社の製品を製造するための装置を開発しています。具体的に言うと、製品の外観にキズがないか検査するための画像処理技術の開発を行っています。

この職業、ぶっちゃっけどこの会社にも需要があります。というのも、製品の外観検査もシステム開発同様に同じ業務内容を行っているからです。

業務内容についてもうちょっと掘り下げます。製品の外観検査を行いたいときは以下のフローで決めます。

1.検査したい項目は何か?

ex.ペットボトル(物)の汚れ(状態)、タイヤ(製品)のヒビ(状態)、フィルム(製品)のしわ(状態)

2.物の状態がしっかり映るように光学条件を設計する

光をどうやってあてる?カメラは何使う?

3.アルゴリズムの設計

画像を取得したら、次にどんなアルゴリズムで汚れを検出する?

 

これ見ていただくとわかると思うのですが、僕の場合だと基本的にモノの状態を見極めてそれに対してどのようなアプローチを仕掛けるかを考えることがメインです。そのため、どんな製品がきても、結局やることはほとんど同じで、自分の会社じゃなくても働けるということです。

その他にも、制御を開発したり機械設計をする方たちもいますが、結局は他社でも働けるスキルが身に着けられます。

まとめ

大卒で生産技術職に入ることをオススメしません。理由は会社に関するスキルばかりがみについて、普遍的なスキルが身につかずに転職しにくいからです。

大卒の皆さん、今時終身雇用を考えた企業選択はオススメしません。しっかりとキャリアを考えていきましょう。

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